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2008/07/20
22:37/Sun

読書の波
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潮騒 (新潮文庫)潮騒 (新潮文庫)
(1955/12)
三島 由紀夫

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 「その火を飛び越してこい。その火を飛び越してきたら」

 三重県鳥羽市に属する歌島が舞台とされ(現在の神島の古名)、若い無邪気な恋人同士の漁夫と乙女が、いくつもの障害や不運を乗り越え、成就するまでを描く。三島文学異色の田園小説。

 久々の読書感想でござい!しかも三島センセイ。

 私が読む三島作品で2作目。ちなみに一作目は仮面の告白 (新潮文庫)だったりする(おいおい)ので、「仮面〜」と三島由紀夫の最後のイメージから作り出してしまった私の中の「仮想ゆっきー」がもろくも崩れ去った(それでいい)。

 「仮面〜」では内容の根暗さとねちこい描写でくらくらキタのだが、「潮騒」の三島先生は物語を一生懸命表現しようとするあまり、説明的な文章に傾いたりしていて、なんだか文学に対してぶっきらぼうなほど紳士なんだよな。そんな三島センセイのちと初々しい?姿と、主人公の新治の海で育まれた精神性が相乗効果で凄く好い味を出している。新治男前すぎる。

 東京生まれ、東京育ちの三島先生が、よくこんな都会とはかけ離れた孤島を舞台にした話が描けるなぁと感心しっぱなしだった。
 主人公の新治だけでなく、初江や安夫に千代子の精神面までも美しい景色とともにすくい伝えてくれた三島先生の手腕にため息。

 今では『「ツンデレ」の祖』としても有名すぎる「その火を飛び越してこい」のシーンにも素で興奮しました。

 ご馳走様。
 


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