レコードに針を落とした瞬間から、世界の終着駅まで。
たとえ儚い一瞬だったとしても、世界の裏側で永遠に繰り返された音楽が寄り添っていた。
その昔、世界は78回転で回っていた。
「78(ナナハチ)」という名の一風変わったSP盤専門店を主たる舞台に、置き手紙を残して失踪した店主、常連客のハイザラ・バンジャック、二人が思いを寄せる女性・カナが主な触媒となって、大昔の伝説のバンド「ローリング・シェイキング&ジングル」、〈失意〉を抱える作家、中庭と犬をこよなく愛する老人、未完の曲を探すチェリストの息子、「夜の塔」に棲む七姉妹などの物語が不思議な連鎖を見せ、ある種、巨大な一枚絵のごときものとして立ちあがる、まったく新しい物語長編。
吉田氏やクラフト・エヴィング 商會の作品はいつもどこかに「永遠」というテーマがひっそりと流れているけれど、吉田氏の本の中では一番「永遠」にスポットを当てられている作品だと思う。
「世界は78回転で回っていた」というのはSPレコードの回転数のことなんだけれども。「レコード」はよく「時間」に関する解説で使われるアイテムでもあるので、とてもわくわくしながら読んだ本でした。
過去 現在 未来。
再生されている音楽は何度目のものなのか。
その音楽は正確に記録されているものなのか。
永遠の「終わり」がやってきた時、独りぼっちで置き去りにされたとしても。
音楽はいつまでも消えることなく、永遠に頭の中に残ってる。
■目次&音楽■■オリエンタル・ツイストドーナツ
Red Nichols and His Five Pennies, 1926-1930Red Nichols & His Five Pennies (2003/11/07)
Fabulous
■二段ベッドの神様
Wild CatsJoe Venuti & Eddie Lang (2001/05/22)
ASV/Living Era
■第三の男
Third Man & Other Original RecordingsAnton Karas (2002/11/19)
Jasmine Music
■トゥインクル、トゥインクル
1939Benny Goodman & His Orchestra (1999/03/09)
Classics
■ゆがんだ球体の上の小さな楽団
1946-1947Benny Goodman & His Orchestra (2005/08/19)
Classics
■アーサーのねじ回し
■中庭の王様
■夜の箱
Breezin' Along With the BreezeJohnny Marvin (2005/08/23)
ASV/Living Era
■七つの夜の箱
Third Man & Other Original RecordingsAnton Karas (2002/11/19)
Jasmine Music
■七つの夜の箱の話のつづき
Moooohieee!元祖楽器達人エンターテイナー!Sam Moore (2002/12/10)
インディペンデントレーベル
■クローディアと靴箱の都
■カワセミ
Pioneers Of Jazz Guitar: 1927-1939Eddie Lang、Carl Kress 他 (2006/08/01)
Retrieval
■犬を見に行った日