たまには現実を見ようと思って。
東南アジアからインドまで、障害を持つ物乞いの人々に密着取材し、その実態を明らかにしたルポルタージュ。
地雷で片足を失い、物乞いで得た金は酒と女に使う陽気なカンボジアの男、自立を目指し、宝くじを売りながらバンコクで暮らす車椅子の美しい女。『告発し糾弾したくても本当の意味での加害者がいない。見渡す限り、犠牲者しかおらず、彼らは彼らの立場で苦しみもだえているのだ。』(本文より)
発展を続けるアジア諸国の最深部に分け入り、その暗部に光を当てた衝撃のノンフィクション。(週間ブックレビューHPより)
もう読み終えて1週間近く経つのですが、感想が言葉にならない。それくらい衝撃的だった。
タイ、ネパール、ベトナム、インド…。日本人が観光しに行くアジアの国々が並んでいるけれど、私たちはただその国に行っただけで、その国のことを解ったフリをしていないか?
インドでは乞食が連れているレンタチャイルドの存在の謎からマフィアの巣窟に潜入し、誘拐された幼児たちがレンタチャイルドにされ(5歳まで)→手足を切断され、障害を持った乞食として町に出される→一生、治療費として稼ぎを巻き上げられる。そんなシステムの実態を突き止めることになる。
彼らは何もわからない赤子の時にさらわれてきて、一方的に手足を切断される。地獄のサイクルの中で永遠に知らされないまま物乞いをしなければならない。
何を解決すればストリートチルドレンがいなくなるのか?誰を告発すれば子供たちの悲痛な叫びが消えるのか…。カースト制度、貧困、戦争、障害、民族、宗教…悲劇の背景にはあまりにも多くの問題が複雑に絡み合っていて、考えれば考えるほど、混乱し頭を抱えることし出来ない。また、そんなことしか出来ない自分に腹が立ち、残るは絶望にしか至れない。誰の所為にも出来ない。
でも彼らは、私がこうしている間にも確かに存在して、それぞれの町で、それぞれの苦しみを抱えながらも、私なんかの何倍も瞳を輝かせながら一日を生き抜いている。それだけは確かなこと。
何の行動も、感想ももてなくとも、「知ること」だけでも価値はある。
産婆さんと呪術師の人々の「支え」の存在が心に残る。
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著者、石井 光太さんのHP 石井 光太さんのブログ■目次■
第1章 カンボジア 生き方―買春と殺人
第2章 ラオス 村―不発弾と少数民族
第3章 タイ 都会―自立と束縛
第4章 ベトナム 見守る人々―産婆と家族
第5章 ミャンマー キリスト―信者
第6章 スリランカ 仏陀―業と悪霊
第7章 ネパール ヒマラヤ―麻薬と呪術師
第8章 インド 犠牲者―悪の町と城