いつも優しいお声を掛けて下さるpommeさんに薦めていただきました。
先日古本屋に足を向けてみたところ、奇跡的に入手することができました。
こんな心にじんわり染み入るような作品に触れる機会を与えてくださって感謝でいっぱいです。
pommeさんありがとうございました。
「孤独か、それに等しいもの」
「八月の傾斜」「だらだらとこの坂道を下っていこう」
「孤独か、それに等しいもの」「シンパシー」「ソウルゲージ」
の5つの短編が入っています。
この中で私が一番惹きつけられた作品は「八月の傾斜」でした。
この本を読んだら誰もが思ってしまうことかもしれませんが(そこが魅力?)「これから私もこの主人公みたいになってしまうのか」ってことと。
私が今まで自分の中で燻り続けてた、暗い部分(誰もが持っている)・・・本当は気づいているのに、気づかないフリをし続けてきた部分にスゥッとナイフをスムーズに入れられた気分でした。
大暴れして、泣き叫んで、誰かに解かって欲しいようで、解かって欲しくない。
そんな部分に静かに、冷たい空気をかぶせてくれて、ほのかな熱を持たせてくれる。
そんな気持ちにさせてくれる5つの小説でした。
一番好きな、思わずにやけてしまう、好きな作品は「だらだらとこの坂道を下っていこう」です。私にとって癒し系。
「孤独か、それに等しいもの」は双子ネタなんですけれど、
小学校のころ、私の同級生(クラスメイト)にも一卵性の双子が二組いました。私も「双子」という真似したくてもできない、不思議な存在に興味があったけど「双子で何か超能力みたいなのとか感じたことがあるの?」とか、はさすがに聞かなかったこととか思い出しました。
全体を通して、この5編の小説を1日に1作品づつ、ちびちびと読んできて、ふと思ったことがある。
「案外、大人はオトナじゃないかも知れない」ってこと。
本の中の主人公はすべて私より年上なんだけど、それなりに働いてる人たちだけど、ふとした瞬間妙に子供っぽいというか、私の思っていた「大人」と違うといいますか。
そして、誰かにそばにいて欲しいのだと思う。
大崎善生さんの文章は初めて触れさせていただきましたが、読みやすく感じました。また、長編も読ませていただきたいです。
余談ですが、この本のカバーデザイン、中身の文字の空白、レイアウトなどの全般を手がけてらっしゃるのが、ブックデザイン界で一番注目を浴びている 鈴木成一デザイン室が担当されています。そんなところも魅力の一つ。
読んで良かった。